こんにちは、アヒルのマー君です。
先日、浜離宮恩賜庭園に行って来ました。
ちなみに、浜離宮恩賜庭園には鴨場(かもば)があります。
そこで初めて知ったのですが、鴨場では水鳥を捕まえるのにアヒルを囮(おとり)に使うそうです。
とても興味深かったので、今日は鴨場の仕組みについて話したいと思います。
鴨場とは
鴨場とは、鴨猟をするための場所のことをさします。
鴨場の仕組み
鴨場のそばに説明が書かれた看板がありましたので、今回はその看板を使って説明していきたいと思います。
鴨場の構造
鴨場は、「元溜り」、「引堀」、「小土手」と「小覗」から構成されています。
(1)元溜り(もとだまり)
水鳥を呼び込むための池。
ここには、普段から人間に手なずけられたアヒルがいます。
(2)引堀(ひきぼり)
水鳥を誘い込んで捕まえるための堀。
(3)小土手
引堀の両側に土が盛られた土手。
(4)小覗(このぞき)
鷹匠が引堀に入ってきた水鳥を監視する場所。
※鷹匠(たかじょう):鷹狩りのために鷹を飼いならす人
小覗きの裏側は、こんな感じになっています。
(a)覗き窓
このスリットから引堀の様子を観察します。
(b)打ち鳴らす板
アヒルを引堀に呼び込む時に打ち鳴らす板です。
(c)エサを与えるための筒
この筒を使ってアヒルにエサを与えます。
鴨場での狩りの仕方
(1)水鳥を元溜りにおびき寄せる
元溜りに手なずけられた囮のアヒルを放しておきます。
そうすると元溜りにアヒルがいることで、渡り鳥たちは「この池は安全そうだな」と油断して集まってきます。
(2)引堀にアヒルを呼び込む
引堀にアヒルを呼び込むため、小覗にある板を打ち鳴らします。
アヒルには、板が打ち鳴らされると、引掘でエサがもらえることを教え込んであります。
(3)アヒルにつられて水鳥がついてくる
アヒルは、いつも通りにエサがもらえると思って引堀に入ってきます。
そうすると、アヒルにつられて水鳥も引堀に入ってきます。
(4)引堀の水鳥の様子を確認する
鷹匠が、小覗から引堀に入ってくる水鳥の様子をみて、鷹を放つタイミングをうかがいます。
(5)鷹を放つ配置につく
小覗で水鳥の様子をみている鷹匠からの合図で、鷹を放つ役の人が引堀を挟んで配置につきます。
(6)鷹を放って捕まえる
脅かされてパニックに陥った水鳥を鷹を放って捕まえます。
ちなみに、明治以降は鷹の代わりに叉手網(さであみ)を使って捕まえているそうです。
鴨場を訪れるおもな水鳥
- マガモ
- コガモ
- オナガガモ
- ホシハジロ
- キンクロハジロ
最後に
最後まで読んで頂きありがとうございました。
鴨場でアヒルが活躍しているとは知りませんでした。
アヒルを手なずけて囮に使うとは、昔の人はよく考えたものですね。